~草木を使った手作り香屋。心・或る・イイ香りをお届け㊥です!~
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『もっと我慢してれば上手くおさまってたんじゃないか。。人として妥当なのはあたしぢゃないよな…』
そうやってバンドをやめても自分をせめるのは変わらなかった。
だから結局辛いままで、しまいには自分が人に愛情を注げないのを両親のせいにしたりもした。
愛情がなくて、仲間ができるはずなんかない。仲間ができなきゃバンドはやれない。バンドがやれないなら音楽ができない。
せめて、そんな連鎖を断ち切るためにいまの音楽制作会社に働きはじめた。
早5年、MIDIの仕事に打ち込んできたあたしは既に音楽を仕事にすることにお腹一杯になっていた。機械と向き合ってお金を貰うなんて生涯続けたいと思わない、それなら何か人間味のある新しいことを…と模索していたら『お香』にたどり着き、香楽さんで『香司』の資格を取得。いざ!という時期に、ベースの仕事がきた。
『…やりたい。』
『この仕事に挑戦しなければ親不幸ものだ。これでだめなら授業料を全て返そう』
『これができたらあたしは思い残すことはない。以前歌の仕事ももらえたし、プロになるという夢が全て叶う』
意気込みは十分。絶対大丈夫。唯一学校出だし、大丈夫。
いざ当日。
心配して上司が見にきて、『渋いベースだねー』とか言って和ましてさってった。
本番。
あたしは緊張して体がギクシャクしてた。でも緊張がないと演奏に気を配れないのも知っている。なくさないように、一呼吸。。
…伴奏がなった瞬間、緊張が一瞬で焦りに変わった。事前の準備ミスでキーが違うことに本番になってきがつくなんて…!!
ひとつ、ふたつ…全音分キーが違うから、よし、指の流れはかわらないでよくて、よくて、でもえっと…
―通しで二回弾いたあと、ミキサールームに呼ばれた。
『んー、緊張してる?これじゃー…ちょっとねぇ。。まま、演歌は難しいよ。うん。もっとゆったり、日本海みたいに波がどっぱーんみたいに、ゆったりね…。あとビビりがなー…握力かもね』
…こんなもんか。あたしの実力って。そんな優しくしないでいいのにな…。
いつもなら出来ないと悔しくてナニクソ!の勢いで次には活かそう、絶対元をとるって思うのに、この時は、泣きそうなのをこらえながら、ただ、そう思っていた。
『録る』ということは『一生世に残る』ということ。バンドで演奏するのとは訳が違う。事前準備不十分なんて言い訳にならないことはわかっていた。
30分もしないうちに仕事に戻る。どんな顔してみんなと接したらいいんだろ。ドアをあけると何か空気がちがう様に感じた。
五弦のベースを使って、ベースの学校をでて、これか。
何も言われないから余計にそう言われているように思ってしまう。。それでも気をつかわれないように口角を上げて仕事に戻った。
『一先ずもう一回、2日後にやろう』
そういってくれたのが救いなのか余計なお世話なのか自分ではよくわからなかった。
何とか持ち歩ける重さのベースがいつもよりも重い…
家について、電気つけて、ソファーに座って…。
何をしたらいいのか、何ができるのか、、何をしてたのか…、何が何を……………頭は静かにパンクしそうだった。その日は何も出来ずにただ思いつくまま考えていた。
次の日。
通常の仕事はいつものように忙しい。忙しい中でも集中しきれないまま11時に仕事が終わる。
…とにかくやらなきゃな…
家に帰って、ちゃんとキーのあったMIDIを使って、ちゃんと楽譜を見て、弾く。弾いて弾いて…
だめだ…ビビらないように集中するとリズムがみだれちゃう。。
ビビらないようにするのに握力は確かに必要だけど…直ぐにどうにかできることは…。弦高を変えてみても1フレットばっかつかうんぢゃそんなに違いがないから…ん?1フレットばっかりつかってる、、先生はあんまり使ってなかったな。。…うん、他の弦に置き換えてた!1フレットばっかりなら尚更チューニングを上げて他の弦で弾けばビビりなんて気になんないぢゃんね。うわ、神様おりてきちゃった!
弾いて弾いて、少しだけ寝て、出社。
それでもベースは重い。
上司は『ばっちり?』
私は『(首をかしげる)』
ばっちりかどうかなんてあたしが決めることぢゃない。
いざ、本番。
少し寝てしまったけど今のあたしができることをやって、最後のチャンスだったベース録りの本番は、結局あっと言う間に終わった。
『前よりも見違えるぐらい変わったね。』
それでも今の実力は及ばず、早すぎる戻りにやっぱり空気は重い。。
あたし、親のお金で何してんだろ…。
それに尽きた。
『戻ります』そういって着いた席の後ろから『めげんな。』と一言。精一杯の励ましの言葉を噛みしめながらいつもの仕事に戻った。。
『どーしたの』そういって休憩に連れ出してくれたのはあのHさん。励ますわけぢゃなく、同情するわけでもないその接し方に気持ちは落ち着いて、仕事に戻る。
次の日、録りをしてくれた先輩が罵声を浴びせられていた。上司は『可哀想だからってやらすのはちがうだろ!仕事なんだよ!』
…あたしのことなのは直ぐにわかった。二回目の変わり様に期待をこめて次もやらせようとしてくれていた。その先輩は優しい。だけどそれが一番傷つくを多分知らない人だとおもう。。
それから約1ヶ月、心の中は空っぽだった。
いつもなら出さないミスをだしたり、ある時には途中で気分が悪くなり途中下車をし遅刻をしてしまった日もあり、そんなことをしてしまう度に自分の存在が疎ましくてしょうがなかった。
休日出勤もあるほど忙しいのにそんなことしてる場合ぢゃないだろ!そう思っても、直ぐに立ち直れるわけがなかった。
そんな中、飲み会があった日は、最後の休日出勤の日。
上司がHさんにかけたあの言葉に私は笑うしかなくて、それを見てか
『ごっちん、気にしなくていいからなあいつ(録りの時の先輩)の言葉なんて。』
…はい。でも…
『早く戻ってきたときになんて声かけようか本気で焦った』
…すみません。。
『にしても、ベース凄いんだよ。練習のし過ぎでネックの裏とかが色あせてんの。』
『頑張り屋だもんねぇ』
…え?
走馬灯みたいに頑張っていた時期の頃が浮かんできて、あっという間に、気持ちが和らいでいた。
今の自分は過去の自分があってこそ。
だからだめだったのは過去の自分が努力しなかったから。。
そう決めつけていた。
そんな私にその言葉が必要だったみたい。。
今回のことで私は、色んな方に気をつかわせ、励ましてもらい本当に有り難く思います。。
加えて、ベースへの気持ちも落ち着き、吹っ切れました。
ちゃんと自分がこれからやりたいこと。
彼氏とずっと一緒にいて、子供も産んで、お香屋をやることで手で作る楽しさを伝えながら生きたい。
この出来事があってから数ヶ月、今もその会社で恩返しをさせてもらいながら、休日にフリマでお香屋をやっている事が私にとっても親にとっても一番いいのかなとおもう。
ちゃんと自分でけじめをつける日がくるだろうけど、今はちゃんと自分らしく頑張りたいとおもいます。
そうやってバンドをやめても自分をせめるのは変わらなかった。
だから結局辛いままで、しまいには自分が人に愛情を注げないのを両親のせいにしたりもした。
愛情がなくて、仲間ができるはずなんかない。仲間ができなきゃバンドはやれない。バンドがやれないなら音楽ができない。
せめて、そんな連鎖を断ち切るためにいまの音楽制作会社に働きはじめた。
早5年、MIDIの仕事に打ち込んできたあたしは既に音楽を仕事にすることにお腹一杯になっていた。機械と向き合ってお金を貰うなんて生涯続けたいと思わない、それなら何か人間味のある新しいことを…と模索していたら『お香』にたどり着き、香楽さんで『香司』の資格を取得。いざ!という時期に、ベースの仕事がきた。
『…やりたい。』
『この仕事に挑戦しなければ親不幸ものだ。これでだめなら授業料を全て返そう』
『これができたらあたしは思い残すことはない。以前歌の仕事ももらえたし、プロになるという夢が全て叶う』
意気込みは十分。絶対大丈夫。唯一学校出だし、大丈夫。
いざ当日。
心配して上司が見にきて、『渋いベースだねー』とか言って和ましてさってった。
本番。
あたしは緊張して体がギクシャクしてた。でも緊張がないと演奏に気を配れないのも知っている。なくさないように、一呼吸。。
…伴奏がなった瞬間、緊張が一瞬で焦りに変わった。事前の準備ミスでキーが違うことに本番になってきがつくなんて…!!
ひとつ、ふたつ…全音分キーが違うから、よし、指の流れはかわらないでよくて、よくて、でもえっと…
―通しで二回弾いたあと、ミキサールームに呼ばれた。
『んー、緊張してる?これじゃー…ちょっとねぇ。。まま、演歌は難しいよ。うん。もっとゆったり、日本海みたいに波がどっぱーんみたいに、ゆったりね…。あとビビりがなー…握力かもね』
…こんなもんか。あたしの実力って。そんな優しくしないでいいのにな…。
いつもなら出来ないと悔しくてナニクソ!の勢いで次には活かそう、絶対元をとるって思うのに、この時は、泣きそうなのをこらえながら、ただ、そう思っていた。
『録る』ということは『一生世に残る』ということ。バンドで演奏するのとは訳が違う。事前準備不十分なんて言い訳にならないことはわかっていた。
30分もしないうちに仕事に戻る。どんな顔してみんなと接したらいいんだろ。ドアをあけると何か空気がちがう様に感じた。
五弦のベースを使って、ベースの学校をでて、これか。
何も言われないから余計にそう言われているように思ってしまう。。それでも気をつかわれないように口角を上げて仕事に戻った。
『一先ずもう一回、2日後にやろう』
そういってくれたのが救いなのか余計なお世話なのか自分ではよくわからなかった。
何とか持ち歩ける重さのベースがいつもよりも重い…
家について、電気つけて、ソファーに座って…。
何をしたらいいのか、何ができるのか、、何をしてたのか…、何が何を……………頭は静かにパンクしそうだった。その日は何も出来ずにただ思いつくまま考えていた。
次の日。
通常の仕事はいつものように忙しい。忙しい中でも集中しきれないまま11時に仕事が終わる。
…とにかくやらなきゃな…
家に帰って、ちゃんとキーのあったMIDIを使って、ちゃんと楽譜を見て、弾く。弾いて弾いて…
だめだ…ビビらないように集中するとリズムがみだれちゃう。。
ビビらないようにするのに握力は確かに必要だけど…直ぐにどうにかできることは…。弦高を変えてみても1フレットばっかつかうんぢゃそんなに違いがないから…ん?1フレットばっかりつかってる、、先生はあんまり使ってなかったな。。…うん、他の弦に置き換えてた!1フレットばっかりなら尚更チューニングを上げて他の弦で弾けばビビりなんて気になんないぢゃんね。うわ、神様おりてきちゃった!
弾いて弾いて、少しだけ寝て、出社。
それでもベースは重い。
上司は『ばっちり?』
私は『(首をかしげる)』
ばっちりかどうかなんてあたしが決めることぢゃない。
いざ、本番。
少し寝てしまったけど今のあたしができることをやって、最後のチャンスだったベース録りの本番は、結局あっと言う間に終わった。
『前よりも見違えるぐらい変わったね。』
それでも今の実力は及ばず、早すぎる戻りにやっぱり空気は重い。。
あたし、親のお金で何してんだろ…。
それに尽きた。
『戻ります』そういって着いた席の後ろから『めげんな。』と一言。精一杯の励ましの言葉を噛みしめながらいつもの仕事に戻った。。
『どーしたの』そういって休憩に連れ出してくれたのはあのHさん。励ますわけぢゃなく、同情するわけでもないその接し方に気持ちは落ち着いて、仕事に戻る。
次の日、録りをしてくれた先輩が罵声を浴びせられていた。上司は『可哀想だからってやらすのはちがうだろ!仕事なんだよ!』
…あたしのことなのは直ぐにわかった。二回目の変わり様に期待をこめて次もやらせようとしてくれていた。その先輩は優しい。だけどそれが一番傷つくを多分知らない人だとおもう。。
それから約1ヶ月、心の中は空っぽだった。
いつもなら出さないミスをだしたり、ある時には途中で気分が悪くなり途中下車をし遅刻をしてしまった日もあり、そんなことをしてしまう度に自分の存在が疎ましくてしょうがなかった。
休日出勤もあるほど忙しいのにそんなことしてる場合ぢゃないだろ!そう思っても、直ぐに立ち直れるわけがなかった。
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【紅葉色のくるくる線香】
2014/11/30まで随時受付中♪
¥3,000-
武蔵関駅徒歩10分の自宅にて
(in東京)
※女性限定・先着予約順ですのでお早めに♪
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ワークショップ随時募集中♪
◆◆ただいま絶賛募集中!◆◆
線香・練香・印香・香袋・塗香・文香
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火・水・金
【時間】
10:00~12:00
13:00~15:00
【人数】
1~4名様
【場所】
武蔵関駅徒歩10分の自宅にて
ご希望の方、詳しく知りたい方はコチラまで^^
お子様連れも大歓迎です!
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プロフィール
HN:
ゴトー
年齢:
39
HP:
性別:
女性
誕生日:
1984/12/26
職業:
香司
趣味:
幾何学模様を色んな感覚で見ること・緑を育てること・手ぬぐい集め・手縫いで無心になること
自己紹介:
母親から手作りの楽しさを教わり、薫物屋香楽さんから”お香”の奥深さを学び、お客さんからは喜んでもらう幸せをいただいています。
古き良き香文化をwakumokuseiが使いやすく&かわいくアレンジして皆様にお届けします^^
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